ルクセンブルクだけではないのだがヨーロッパでは時々変な名前の商品を見かける。ここも秋も終盤となりこの季節が句となる食材がスーパーで売られているが、その代表格はカボチャだろうか。こちらで売っているカボチャの中にはペポカボチャ系のものが普通に売られている。これは日本人にはあまり馴染みが無いかもしれないがある意味当然だと思う。おそらくテレビや雑誌などで見たことはあると思うけど、ハロウィンに使われたり、あとギネスブックに載ったりするようなやたらとデカくなるカボチャのことで、日本でもたまに見るが普通はとんでもなく大味なので日本人はあまり好んでは食べない。
見た目のインパクトが大きく、そのため日本では観賞用として育てられることが多いと思う。一方ヨーロッパでは割と普通にスーパーで売っており、何度か食べてみたがやはりあまり美味しくない。いや、不味いという訳ではないのだけれど日本で好まれるようなほっくりとした甘みのあるカボチャを想定して使うとものすごく残念な料理が出来上がるのである。基本的には柔らかく大雑把な繊維質でできており、でんぷん質ではなく繊維質な野菜と言える。ルクセンブルクでもパンプキンスープはあるのだが、日本のそれはコーンスープのように甘くてクリーミーだが、こちらではこのデカいカボチャを使うので正直あまり風味はなく、スープの色も若干半透明掛かっている。味はと言うと甘みは無いに等しく、逆にシナモンやチリなどのスパイスが入っていることが多く、さらにニンジンやパセリなど他の野菜も一緒に煮込んでピューレ状になっていたりする。なんと言うか私の主観的な表現だと一種のインド料理の様にさえ感じる。もしくはアメリカ料理か。とにかく同じスープでも味や雰囲気は日本の物とは全く別だ。
こういう感じのものでやたらとデカいので8分の1とかに切り分けて売られている。 もう少しオレンジ色の種類もあるがデカくて大味なのには変わりがない。
そんなわけで日本で売っているようなカボチャを欲しくなるのだが実は日本人好みの味や触感に近いカボチャは割と売られている。それはこんな感じの品種。
オレンジ色の外見で少し特徴のある形。大きさはそれほど大きくなく重くても1キロ弱。切った断面を見るとでんぷん質な感じで、売られてる時期や熟成具合にもよるけど基本的にはホクホクとした感じで日本の甘いカボチャほどでは無いにしろ、そこそこの甘みもあり日本人にもなじみのある味。
目を張るのがその名前だ。国によっても違うだろうが、少なくともドイツやルクセンブルク、フランスではこのカボチャはHokkaidoと呼ばれる。なぜ北海道?という疑問は湧くのだが私も正直よくわからない。と言うかヨーロッパ人でHokkaidoが日本語であり、さらにこれが日本の都道府県の1つだとわかる人は少ないであろうと思われる。なので余計に謎である。まだKyotoとかOkinawaならわかる人は多いと思うんだけど。
実は面白いことに日本で一番売られてるであろう緑色の皮とオレンジ色の中身を持つ甘いカボチャは西洋カボチャと呼ばれている。しかし私はこのカボチャをヨーロッパで殆ど見たことが無い。一度だけフランスの地方都市で見かけただけでそれっきり。その時はラッキーと思い数個買って家で楽しみました。
