ルクセンブルクでは想定外の食材に出会うが今回もその一つ。タコである。
タコなんてどこでも売っていると思うかもしれないがその常識は内陸ヨーロッパでは通用しない。大きいスーパーだとたまに缶詰のものが売られていることはあるが冷凍の物であってもめったに見られない。まして生のものは地中海沿岸国を除いて内陸ヨーロッパの普通のスーパーで目にかけることはまずない。しかしここはルクセンブルクである。たまに行く大きなスーパーの鮮魚コーナーでタコを見かけたので買ってみました。時々小さめの生タコを見かけることがあるが今回はかなり大きく3キロ弱。私はスペインのガリシア地方で食べられるタコ料理が好きなので圧力鍋でとりあえず茹でてみる。ちなみにこの圧力鍋はかなり大きなもので小さめの寸胴鍋ほどはあるのだけど、タコを入れた時に写真を撮って後から見返すとタコが大きいので鍋が小さく見えるほど。蛸の足の部分だけならば割と大きなものが日本のスーパーでも買えると思うが、一匹丸ごとになると相当大きいので日本であっても特殊なスーパーでないと買える物じゃないと思う(そもそも大きなタコを一匹買う理由は普通の人には無いか)。
シンクでとりあえず下準備 大型の圧力鍋なので余裕で入るがそれでも妙な威圧感が漂う。・・ちょっとグロい
ヨーロッパ内陸部ではめったに食べられない一方、スペインやイタリヤ、ギリシャではタコ料理は結構楽しまれている。とは言えこれらの地域ではタコは高くはないが一方とても安いわけでも無く、日本の様に茹でたタコが気軽にスーパーでも売っているという訳ではない。これらの地域でタコを食べるときはコリコリした触感を楽しむというよりは長時間下茹でして日本人にはなじみが無いほど柔らかくなったものを再度炒めたり、オリーブオイルやトマトソースと一緒に食べることが多い。さてタコは圧力鍋で40分ほど茹でたのだがこんな感じになった。

だいぶ柔らかくなっているようで皮の部分はずるずるとした感じになっているほど。少し切ってかじってみると柔らかい。日本ではここまで柔らかくして食べることは一部の料理を除いてあまりないでしょうね。あと長時間茹でると2割ほど縮むので経済的にもあまり良くないのだけど、やはりこの柔らかさは必要なので背は腹に変えられない。
私の好きなガリシアのタコ料理というのはこの柔らかくなったタコをオリーブオイルで炒めて、同じく炒めたジャガイモと一緒にパプリカパウダーを振りかけるというもの。ちなみにこの時大切なのはこのパプリカパウダーは燻製にしたものを使う事。ヨーロッパのあまり食の美味しくない地域ではパプリカパウダーは何処にでも売られていて、自称「料理にこだわる」現地人が好んで使う。しかし大して変わったものではなく、料理にパプリカの風味と少し甘い味が追加されるだけの割とつまらない調味料である。しかしスペインなどで売られている燻製したものは独特の風味とある程度の辛みがあるので脂っぽい食べ物には非常に合う通好みの調味料だ。これと塩をまぶすと私のお気に入りの料理の完成。タコはカリッとしているが中が非常に柔らかく、はじめてこれをバルセロナで食べた時は驚いた。
自分で買っておきながら言うのも変だが、一体こんな大きなタコ丸ごと一匹、一体誰が買うのか少々謎である。 他にも私みたいな物好きがこの小さな町に住んでいるという事か。もしまたこんなタコが売っていて、それ買う人を見かけたらぜひ声をかけてみたいと思う。なんか良い友達に慣れそうな気がする。真面目な話をするとルクセンブルクにいるポルトガル系かイタリア系の移民が買うのだろうが、それでも少々大きすぎないか?やはり謎である。でもたまに売られているので需要があるという事には間違いなさそうだ。
ちなみに足一本だけはタコ焼き用にと、圧力鍋は使わず残したので後日久しぶりに本物のタコ焼きを楽しもうと思う。タコ焼き器は持っているんだけど普段はタコの代わりにイカ足を使っているので。
美味しいが手間がかかるので、作ったときは友達を誘って一緒に食べます。 バルセロナで食べた一品
3件のフィードバック
確かに、ただのパプリカパウダーって、加えてみて味が変わるほどの物ではありませんね😂
スペインの燻製パプリカパウダー、覚えておきます!
普通のパプリカパウダーは何と言うか「雰囲気イケメン」みたいな調味料です。 料理の仕上げに振りかけたりすると赤い鮮やかな色で雰囲気が良くなりますが、実際のところ大して風味も味も変わらない地味な調味料です😅

これは私が使っている燻製パプリカです。
雰囲気イケメン!!(笑)
確かにそうです(笑)
ご紹介ありがとうございます。
それと、「鍋が小さいのではなく~」、ツボでした😂